バイオ技術が天然素材を機能的に変身させました。
サイクロデキストリン(以下CDと略す)は、デンプン類に酵素(サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ)を作用させて得られる環状オリゴ糖で、特異的な包接機能が注目されている物質です。CDはブドウ糖分子が環状に結合した構造をしており、6個結合したものをα−CD、7個はβ−CD、8個はγ−CDと呼ばれています。
この環状の外側は親水性、内側は親油性の性質を持っており、包接性を有することが最大の特徴です。
天然素材を各種用途へ用いることは、物質同士が分離してしまうなどの様々な壁がありますが、CDを用いれば、通常は混ざらない物質でも混ぜる事ができ、用途の幅が広がります。
CDを粉末素材とし、植物抽出物などを包接粉末化した機能的な素材ができるので、食品への利用はもちろんのこと、化粧品・繊維・樹脂等の工業製品に至るまで幅広く利用されています。
粉末素材のCDは、天然素材の澱粉を原料にバイオテクノロジ−技術を駆使して開発された製品で、その特異性は多くの研究者に注目され、現在も様々な用途へと期待されています。